SS6~10 | ハツコイくれいじぃ

SS6~10

日記を書くにあたり、ふと困ったことが起こりました。お金が尽きてしまい食べるものがないとか、着る服がないとか、そういう日常茶飯事なことではないのだよ。
察しのいい方なら既に気付いていると思いますが、そうなのです、僕にはさゆみんが不足しているのです!!勿論、かしましを見返して「この角度がさぁ」と評論家ぶったり、線香花火のさゆみらくるバージョンを聞いて「さーゆみ、おい!さーゆみ、おい!」と叫んだり、そういう毎朝のお祈り的なことは日々の習慣ですから、無意識のうちに行っているとは思います。しかし、僕にはNOWなさゆみんが足りないのです!ほら、さゆみんだってDo it now!って僕に向かってメッセージを送り続けているじゃないか!
それでも時は流れ、思い出は色あせ、僕の部屋にもゴミ袋がたまります。さゆみんとはもうこれっきりにしよう。今回こそそう思いました。

そんなときに僕はこれを拾いました。

「そうだよこの角度だよ!」僕の中の評論化気取りな岸谷君が叫びました。「さゆみらくるだよ!」岸野君も続きます。でも僕は決して彼らに流されたわけじゃない。自分の意志でこぶしを振り上げたのです!
というかやばくない?ねえこれ。勿論腰をくねらす高橋さんだって神がかってるよ。もう「笑わなきゃかわいい」なんてたわ言、僕が言わせやしないさ。でも、さゆみんって別格だよね。画面の前の君にも見えてますよね?あのポーズ、あの角度、あの瞳。そして僕に向けられた「愛してる」のメッセージ!!最後にはきっと君こそがラブマシーンだってオザケンも言ってるじゃないか!岸田一生の不覚です。これからもずっとさゆみんについていこうと思いました。

さてさて、あのコーナーいっちゃうよ!



6 おしゃべり

田中さん!「こっち来たりして」と「はぶられいな」のコラボレーションに、六期ヲタの僕はいろんな意味でやられた。うまくネタを使っているなという印象。会話の雰囲気は大好きだったのだけど、山なしオチなし意味なしがいただけなかった。「やおい」でもいいから言い訳分のラストの一レスを使ってもう少し二人の会話を楽しませてほしかった。


7 花盗人

文章のバランスが上手いなあと思った。背伸びしている感じもないしこういう文章は好き。
主人公である後藤さんたちの正体を上手い具合に隠していて、なおかつそれだけの話では終わっていないところに好感が持てた。雰囲気を読む小説で、オチが重要なSSの企画では目立たないであろうことが残念だけど、言葉一つ一つが洒落ていて読んでいて飽きなかった。ラストも娘。に対する作者の優しい視点を垣間見ることができて好感。文句のない良作。


8 陽だまり

ふわりとした日常を切り取った話。小川さんでも加護さんでもなく紺野さんだからこそ成り立つ話だと思った。タイトルに似合ったいい話ではあると思うが、100作もある中ではどうしても印象に残りづらい気がする。


9 雨の日重さん

ほのぼのとした。道重さんかわいいなあ。道重さんが白いドレスを着ているっていうだけで僕はもうやられてしまう。最後はちょっと怖かったけど、道重さんと亀井さんのやりとりらしいなあなんて思わずくすりとした。


10 リンクの上でカキ氷作るののたん

薄情な紺野さんのお話。これが世間の厳しさを知っている人間と知らない人間の差だろうか。笑わせてもらった。自分はどっちのタイプが好きだろうと考えてみたが、辻さんも紺野さんもどっちも素敵で選べませんごめんなさい。それにしても、辻さんにはこういう無邪気な役がよく似合う。



ことば

「花泥棒は罪じゃないって知ってる?」
「……え?」
 唐突なあたしの言葉にぎょっとしたように彼女は手折った枝を見た。蝋細工のような花がぷるんと震えた。
「素敵だなって美を愛でる心に罪はないんだってさ」

劣「花盗人